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■ 作品紹介「聖剣伝説」シリーズ ■
■基本データ

ゲーム名:聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝
発売日:1991年06月08日
(英語版は1991年11月01日)
開発元:スクウェア(現:スクウェア・エニックス)
発売元:スクウェア(現:スクウェア・エニックス)
システム:ゲームボーイ
ジャンル:ロールプレイングゲーム
プレイ人数:1人

ゲーム名:聖剣伝説2
発売日:1993年08月06日
(英語版は1993年10月03日、仏語版・独語版は1994年11月24日)
開発元:スクウェア(現:スクウェア・エニックス)
発売元:スクウェア(現:スクウェア・エニックス)
システム:スーパーファミコン
ジャンル:ロールプレイングゲーム
プレイ人数:1〜3人
標準クリア時間:30時間程度

ゲーム名:聖剣伝説3
発売日:1995年09月30日
(アマチュア翻訳で、英語版仏語版独語版あり)
開発元:スクウェア(現:スクウェア・エニックス)
発売元:スクウェア(現:スクウェア・エニックス)
システム:スーパーファミコン
ジャンル:ロールプレイングゲーム
プレイ人数:1〜2人
標準クリア時間:20時間程度

ゲーム名:聖剣伝説 レジェンドオブマナ
発売日:1999年07月15日
(英語版は2000年06月07日、その他アマチュア翻訳で、独語版が作業中)
開発元:スクウェア(現:スクウェア・エニックス)
発売元:スクウェア(現:スクウェア・エニックス)
システム:プレイステーション
ジャンル:ロールプレイングゲーム
プレイ人数:1〜2人
標準クリア時間:30時間〜40時間

ゲーム名:新約 聖剣伝説(上記「聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝」を、リフォームしたもの)
発売日:2003年08月29日
(英語版は2003年12月01日、仏・独語版および西・伊語版は2004年03月19日)
開発元:ブラウニー・ブラウン
発売元:スクウェア・エニックス
システム:ゲームボーイアドバンス
ジャンル:ロールプレイングゲーム
プレイ人数:1〜2人
標準クリア時間:15時間程度

■概要


 このシリーズは、(シリーズ中の)世界にあまねく存在する“マナ”を題材としています。最初に発売された「聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝」(および、リフォーム版「新約 聖剣伝説」)においては、“マナ”エネルギーや、“マナ”一族が登場し、それらを巡るストーリーとなっています。次に発売された「聖剣伝説2」も、“マナ”エネルギーを大きくとり上げ、これを用いて悪だくみをする悪党と戦い、そしてその過程において“マナ”一族の謎にせまるストーリーです。その後の「聖剣伝説3」も、やはり“マナ”エネルギーをとりあげましたが、この作品においては“マナ”一族は登場せず、かわりに妖精や女神が登場するなど、若干ファンタジー要素が強くなりました。

  その後の「聖剣伝説 レジェンドオブマナ」は、従来の“マナ”エネルギーや、“マナ”一族のような具体的な描写はなくなり、前作「聖剣伝説3」における妖精や女神、さらにはそれらの端末である“草人”や“花人”が登場し、より抽象的なものとなります。また、「聖剣伝説2」から採用されている“8精霊(光・闇・水・火・月・木・風・土)”システムが、最近のゲームに求められているやりこみ要素(ストーリーを楽しむだけでなく、ペットのモンスターを育成するなど)に応えるべく、ストーリー面ではなくシステム面において進化しました。

 このように、このシリーズで一貫して取り扱われているテーマは“マナ”であり、伝承などで言えば太平洋諸島となり、タイトルにある聖剣伝説も、アーサー王の聖剣伝説ではなく、このシリーズにおける“マナ”にまつわる聖剣伝説です。さらに、ストーリーにおいて北欧どころかその他の欧州神話からインスパイアされたものが無く、欧州系神話サイトの出る幕ではないように思えますが、その中で「聖剣伝説3」の特定のキャラクターのみ、意外にも多くの北欧神話ネタが用いられています。そのため、ここでは「聖剣伝説3」のみをご紹介したいと思います。

□聖剣伝説3 

 かつて、世界がまだ暗黒に閉ざされていた頃、マナの女神は、世界を滅びに導く8つの災厄の化身である「神獣」を「マナの剣」によって打ち倒し、8つの要石の中に封印した。かくして闇は去り、世界は創造された。 マナの女神は樹に姿を変えて眠りにつき、永い年月が過ぎ去った……。
 しかし、8つの要石から再び神獣を解き放ち、神をも越える力を手に入れ、世界を我が物にしようと企む者達によって争いが起き、平和は終わりを告げた…。地上からは急速にマナが失われ、マナの樹も枯れ始めた……。
(イントロ全文)

●システム

 プレイヤーは、あらかじめ用意された六人の登場人物から、主人公と仲間を二人選んでゲームをスタートさせます。ジャンルが「ロールプレイングゲーム」となっているように、プレイヤーは主人公となってストーリーを演じることとなります。しかし、戦闘場面においては、従来のコマンド(主人公の行動を選択できるよう体系化したもの)による行動選択、ターン制(1ターン=1サイクルで、戦闘場面にいるキャラクター全員が一回ずつ行動を済ませると、次のターンに進むシステム)から、リアルタイムに操作を要求し、魔法や道具の使用に関してのみコマンドを用いる、アクション性の高いものとなりました。これが、ゲーム用語でアクションロールプレイングゲームと呼ばれる、従来のロールプレイングゲームとは少し異なったジャンルとなります。

 ストーリーの進め方は、基本的に従来のロールプレイングゲームと同じであり、謎や問題、事件など(以降、「イベント」と呼ぶ)を解くことにより、次へ進めるようになります。ただし、このゲームでは主人公や仲間の選択、およびその組み合わせによって、ストーリーの中身が異なり、たとえ同じイベントであっても、若干内容が異なるようになっています。具体的には、二人の登場人物が一つのシナリオを共有し、合計三つのシナリオが存在することになります。このことで、一度ゲームをクリアしても、違うキャラクターの組み合わせで再挑戦できるため、標準クリア時間が従来の半分程度の20時間としながらも、長く遊べるゲームであると言えます。

 また、このゲームでは“クラスチェンジシステム”が採用され、クラス(職業)1〜3まで、レベル(全般的な熟練度に似たようなもの)に応じて、クラスもレベルアップ、すなわち昇格させていくシステムです。また、クラス1から2、もしくは2から3へチェンジする際には選択肢が用意され、その選択肢によって習得できるスキル(能力)が異なります。

●世界観

 世界観はシリーズの流れを踏襲しており、特にこれとって北欧神話のネタが登場する場面はありません。強いて言えば、ポリネシアだったか、ミクロネシアだったか、太平洋諸島発祥の民間伝承が根底にあるものの、表面上はあえて挑戦せずに従来のロールプレイングゲームにおける世界観を踏襲し、城あり西洋風の町並みありの、無難なものとなっています。

 しかし、先述の「六人の登場人物」のうち、フォルセナの傭兵“デュラン”と、ローラントの王女“リース”に関する設定には、北欧神話から借用されたものがあるため、この二人に関する背景をご説明したいと思います。具体的な内容につきましては、後日別のページでご紹介したいと考えておりますので、もうしばらくお待ち下さい。

●デュラン編

 草原の王国フォルセナの傭兵、デュラン。
 父親は英雄王のかつての友人であったが、デュランが幼い頃に行方不明となる。母親も病気でなくしてからは、伯母のステラのもとに、妹のウェンディとともにひきとられた。父親の思い出は、ほとんどないものの、やはり血は争えず剣術において、若手の中では右に出る者がないほどのウデである。
(イントロより要約)

 「聖剣伝説3」発売前に、書籍の設定資料集が発売され、各キャラクターの生い立ちや旅立ちまでの経過、さらに上述の“クラスチェンジシステム”におけるクラス名などが紹介されました。この中で、このキャラクターは傭兵という設定ではありますが、クラスチェンジにおいて“ナイト”や“パラディン”などのクラス名が用意されているなど、中世西欧における騎士社会からインスパイアされているように見受けられます。

 しかしながら、その装備品を見ると北欧神話というよりも、その中のサガ、とりわけヴォルスンガサガからインスパイアされているものが、非常に多く見受けられます。これは、装備品を解説している攻略本において顕著であり、キャラクター本人はさほど北欧神話に近いとは感じられなくとも、その装備品なども含めトータルで考えると、若干北欧神話に近いキャラクターであると考えます。

 残念ながらストーリーにおいては、あまり北欧神話を意識させるようなものはありません。このキャラクターの父親は“ロキ”という名前ですが、人をだましたり陥れたり、あるいはいたずらをするようなキャラクターではなく、ただ一般的なドラゴン退治をするだけのキャラクターです。ドラゴン退治といえば、やはりヴォルスンガサガではないか、とも思われますが、このキャラクターのストーリーにおいては、残念ながら少し勝手が違うようです。それが判明されるのはゲームの終盤となるため、内容解説を避けるこのページにおいては、割愛させていただきます。

●リース編

 風の王国ローラントの王女リースは、ローラントを守るアマゾネス軍のリーダーでもある。
 山岳地帯にあるローラントの城は、周囲のガケを自然の城砦として利用した、難攻不落の城として名高い。さらに、精鋭のアマゾネス軍が守りをかため、永遠に外敵の侵入を許す事はあり得ないかのように見えた。しかし…
(イントロより要約)

 このキャラクターは前述のデュランに比べて、さらに北欧神話の色彩の強いキャラクターです。最初の設定ではアマゾネスであり、神話から来ていると考えたとしても、せいぜいギリシャ/ローマ神話程度ではないかと思われます。しかし、クラスチェンジにおいては、“ワルキューレ”はもちろんのこと、フレイヤの別名である“ヴァナディース”の他、“フェンリルナイト”という魔狼の名前を冠したクラス名まで用意されています。余談になりますが、オウガバトルであったアマゾネスからワルキューレへのクラスチェンジは、このゲームにおいても存在するため、あたかも実際にアマゾネスがワルキューレになるための下積みであるような誤解をしてしまう可能性があります。

 当然、その装備品は北欧神話からインスパイアされていることは明らかであり、デュラン同様攻略本においては特に顕著であります。ワルキューレやヴァナディースは、どちらかといえばエッダでの話であり、やはりエッダから借用されているものが多いのですが、ごく一部の装備品については、ヴォルスンガサガから借用されている可能性のあるものがあります。また、召喚魔法としても北欧神話から借用されているものが見受けられます。

 ストーリーについては、デュランとは逆に北欧神話から借用されているものは全く見受けられません。これは、リースとシナリオを共有するもう一人のキャラクターが砂漠出身の盗賊であり、あまり北欧神話のイメージとマッチしないからであると考えます。

□そのほかの聖剣伝説

 そのほかのシリーズにおいても、若干北欧神話からの借用が見られますが、おそらくはたまたま名前が付けられただけ、もしくは前作からの武器・防具・クラス名などが継続して登場している程度ですので、ここでは割愛させていただきます。しかし、「新約 聖剣伝説」の称号システムについては、若干スペースを割くべき箇所がありますので、これも後日ご紹介したいと思います。

□このシリーズの今後

 「聖剣伝説3」以降は非常にスローペース(諸般の事情があった模様)ですが、2005年秋の時点で新作が続けて発表されています。ただし、「聖剣伝説 レジェンドオブマナ」から続く武器制作システムのおかげで、材料名から由来する武器の名前が付けられ、北欧神話からの借用が非常にすくなくなってしまいました。そのため、新作においても北欧神話色はよりいっそう薄くなると考えます。

■参考文献

 ・ウィキペディア日本語版および英語版
 ・聖剣伝説3 基礎知識編 NTT出版
 ・聖剣伝説3 徹底攻略編 NTT出版




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